はじめに
住宅やマンションにお住まいの方で、「ベランダや屋上の防水工事が必要です」と業者に言われた経験はありませんか?
外壁塗装や屋根工事と同じように、建物を守るためには防水工事が欠かせません。その中でも、近年よく耳にするのがFRP防水(エフアールピーぼうすい)です。
「名前は聞いたことあるけど、どんな工法なの?」「他の防水と何が違うの?」と疑問を持つ方も多いでしょう。
そこで本記事では、FRP防水の仕組みや特徴、メリット・デメリット、施工時の注意点などを、初心者の方でも理解しやすいように解説します。
FRP防水とは?
FRP防水の「FRP」とは、Fiber Reinforced Plastics(繊維強化プラスチック)の略です。
ガラス繊維などを混ぜて強化した樹脂を使い、ベランダや屋上の床に塗り固める防水工法のことを指します。
イメージしやすい例としては、浴槽や船体や車のバンパー等のパーツにもFRPが使われています。
つまり「軽くて強い、そして水を通さない」性質を持っているのです。
この特性を建物の防水に応用したのが、FRP防水なのです。
どこで使われるのか?
FRP防水は、特に戸建て住宅のベランダやバルコニーで広く採用されています。
- ベランダの床
- バルコニー
- 屋上(小規模)
といった人が歩く場所に適しているのが特徴です。
一方で、大規模な屋上や広い面積には不向きとされる場合もあります。理由は後ほど解説します。
FRP防水の仕組み
施工の流れを簡単に説明すると、以下のようなステップになります。
1. 下地の調整
ベランダの床をきれいに整え、段差やひび割れを補修します。
2. プライマー塗布
接着剤の役割を持つプライマーを塗って、樹脂がしっかり密着するようにします。
3. ガラスマット敷き
ガラス繊維のマットを敷き、強度を高める準備をします。
4. 樹脂を塗布
液状のポリエステル樹脂を塗り、硬化させます。
5. トップコート仕上げ
最後に紫外線や摩耗から守るためにトップコートを塗ります。
こうして施工されたFRP防水は、硬くて丈夫な防水層となり、10年以上の耐久性を発揮します。
FRP防水のメリット
FRP防水が人気を集めている理由は、次のようなメリットがあるからです。
1. 高い耐久性
硬化すると非常に硬く、摩耗に強いため、人が歩いたり物を置いたりしても劣化しにくいです。ベランダで洗濯物を干すなど日常生活で使うにはぴったりです。
2. 軽量で建物に優しい
FRPは軽い素材なので、建物に大きな負担をかけません。
3. 工期が短い
施工してからの硬化スピードが早く、1日〜2日程度で仕上げられる場合もあります。忙しい家庭でも工事の負担が少ないのは大きなメリットです。
4. 防水性能が高い
プラスチックの性質を生かしているため、水を全く通さず、雨水の侵入を防ぎます。
FRP防水のデメリット
もちろん、FRP防水にも注意点やデメリットがあります。
1. 面積の広い場所には不向き
FRPは硬くて丈夫ですが、その分「伸び縮み」が苦手です。広い屋上のように温度差で膨張や収縮が大きい場所では、ひび割れを起こす可能性があります。
2. 紫外線に弱い
そのままでは紫外線で劣化しやすいため、定期的にトップコートを塗り直す必要があります。一般的には5〜7年ごとのメンテナンスが推奨されます。
3. 工事費用はやや高め
他の防水工法(ウレタン防水など)と比べると、材料費や施工費が少し高めになる傾向があります。
FRP防水と他の防水工法との違い
よく比較されるのが「ウレタン防水」と「シート防水」です。
- ウレタン防水
液体のウレタンを塗り重ねる工法。柔らかく、広い屋上に適している。工期は少し長め。
- シート防水
塩ビやゴムのシートを床に貼る工法。広い面積やコストを抑えたい場合に有効。
- FRP防水
硬くて摩耗に強く、ベランダなど小面積に最適。工期が短く仕上がる。
つまり、FRP防水は「小規模で人が歩く場所」に強みを発揮する工法といえます。
メンテナンスの重要性
どんなに丈夫なFRP防水でも、メンテナンスを怠ると寿命は短くなります。
特に注意すべきはトップコートの劣化です。
トップコートが削れてしまうと、防水層が紫外線に直接さらされ、ひび割れや剥がれの原因になります。
定期的な点検と塗り直しを行うことで、15〜20年近く長持ちさせることも可能です。
DIYでできるのか?
「自分で塗れば安く済むのでは?」と考える方もいます。
しかし、FRP防水は専門知識と施工技術が必要です。ガラスマットや樹脂の扱い方を誤ると、すぐに剥がれたり水漏れにつながる危険性があります。
小さなトップコートの塗り直し程度であればDIYも可能ですが、本格的な防水施工は専門業者に依頼するのが安全です。
まとめ
FRP防水とは、繊維強化プラスチックを利用した耐久性の高い防水工法で、特にベランダやバルコニーで多く使われています。
- 硬くて強い、防水性能が高い
- 工期が短く済む
- メンテナンス次第で長持ちする
というメリットがある一方で、
- 広い屋上には不向き
- 紫外線に弱い
- 定期的なトップコートの塗り替えが必要
といったデメリットも存在します。
家を雨水から守る大切な工事だからこそ、正しい知識を持ち、信頼できる業者に依頼することが大切です。
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