外壁塗装!下地処理が重要!?

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はじめに

​外壁塗装は、単に家の色を変えるだけの作業ではありません。それは、大切な住まいを雨風や紫外線から守り、美しさと耐久性を保つための重要なメンテナンスです。しかし、「外壁塗装」と聞いて、多くの方が思い浮かべるのは、色選びや塗料の種類かもしれません。もちろん、それらも大切ですが、実はそれ以上に、いや、それこそが外壁塗装の成功を左右すると言っても過言ではない、最も重要な工程があるのです。それが「下地処理」です。

​「下地処理?そんなに大事なの?」と思われるかもしれません。

しかし、もしこの下地処理を怠ってしまえば、どんなに高価で高性能な塗料を使ったとしても、数年後には剥がれやひび割れ、膨れといった問題が発生する可能性が非常に高くなります。家を長持ちさせ、美しい外観を維持するためには、この「下地処理」について正しく理解することが不可欠です。

この記事では、外壁塗装における下地処理の重要性について、その具体的な工程や注意点を交えながら徹底解説していきます。


​なぜ下地処理が重要なのか?

​「下地処理」とは、文字通り、塗料を塗る前の下準備のことです。具体的には、外壁に付着した汚れやカビ、古い塗膜などを除去し、ひび割れや凹凸を補修する一連の作業を指します。この作業がなぜこれほどまでに重要なのでしょうか。その理由は、以下の3つのポイントに集約されます。


1. 塗料の密着性を高めるため


​新しい塗料を外壁にしっかりと密着させるためには、外壁の表面をきれいで平滑な状態にする必要があります。もし、古い塗膜の剥がれや、汚れ、カビなどが残ったまま新しい塗料を塗ってしまうと、塗料が十分に密着せず、すぐに剥がれてしまう原因となります。人間の肌に例えるなら、洗顔せずにファンデーションを塗るようなものです。きれいに洗顔した肌には、ファンデーションがしっかりとなじみ、持ちも良くなります。外壁も同様で、下地処理によって外壁と塗料の密着性を最大限に高めることができるのです。


​2. 塗装後の仕上がりを美しくするため


​下地処理は、塗装後の仕上がりにも大きく影響します。ひび割れや凹凸を補修し、表面を平滑にすることで、塗料が均一に塗られ、美しい仕上がりになります。もし、下地処理を怠れば、ひび割れがそのまま浮き出たり、凹凸が目立ったりして、せっかくの外壁塗装が台無しになってしまいます。まるで、デコボコなキャンバスに絵を描くようなものです。下地が整っていなければ、どんなに素晴らしい絵の具を使っても、美しい絵にはなりません。


​3. 塗料の耐久性を引き出すため


​塗料には、紫外線や雨水から建物を守るための様々な機能が備わっています。しかし、その機能が十分に発揮されるためには、塗料が外壁にしっかりと密着していることが大前提です。下地処理によって密着性を高めることで、塗料本来の性能を最大限に引き出し、塗装後の耐久性を大幅に向上させることができます。結果として、塗り替えの頻度を減らすことができ、長期的なコスト削減にもつながります。


​下地処理の具体的な工程


​下地処理の重要性を理解したところで、次にその具体的な工程を見ていきましょう。これらの工程は、家の状態や使用する塗料によって多少異なりますが、基本的な流れは共通しています。


​1. 高圧洗浄


​外壁塗装の最初の工程は、高圧洗浄です。これは、外壁に付着した長年の汚れ、カビ、コケ、藻などを徹底的に洗い流す作業です。古い塗膜が剥がれかかっている部分も、この高圧洗浄である程度剥がすことができます。この洗浄が不十分だと、汚れやカビが残ってしまい、その上から塗装をしてもすぐに剥がれてしまったり、カビが再発して塗膜を侵食したりする原因になります。まるで、手術前の消毒のようなもので、この最初のステップが、後のすべての工程の成功を左右します。


​2. ケレン(下地調整)


​高圧洗浄で落としきれない、頑固な汚れや古い塗膜の剥がれかけ、サビなどを、ワイヤーブラシやスクレーパーなどを使って手作業で除去する作業を「ケレン」と呼びます。特に、金属部分のサビや、木部の旧塗膜の剥がれは、このケレン作業を丁寧に行うことで、新しい塗料の密着性が格段に向上します。この工程は非常に地味で時間がかかりますが、職人の腕の見せ所とも言える重要な作業です。


3. クラック(ひび割れ)補修


​外壁には、経年劣化や地震などの影響で、必ずと言っていいほどひび割れが発生します。このひび割れ(クラック)をそのまま放置すると、そこから雨水が浸入し、建物の内部構造を腐食させる原因となります。そのため、ひび割れにはコーキング材やシーリング材を充填し、水の浸入を防ぐとともに、外壁の強度を回復させます。小さなひび割れも、放置すれば大きな問題に発展しかねません。この補修作業は、建物の寿命を延ばすために欠かせない工程です。


​4. シーリング(コーキング)の打ち替え


​サイディングボードの継ぎ目や窓のサッシ周りなどには、シーリング材が充填されています。このシーリング材は、建物の動きに追従してひび割れを防ぐ重要な役割を担っていますが、経年劣化で硬化したり、ひび割れたりします。劣化したシーリング材は、雨水の侵入経路となるため、古いシーリング材を撤去し、新しいシーリング材を充填する「打ち替え」作業が必要になります。このシーリングの打ち替えも、下地処理の重要な一環です。


​5. 錆止め・下塗り(プライマー・シーラー)


​これらの補修作業が終わった後、いよいよ塗装の準備段階に入ります。最初に塗るのが、下塗り材(プライマーやシーラー)です。プライマーは、上塗り塗料の密着性を高める役割があり、シーラーは、上塗り塗料が外壁に吸い込まれるのを防ぐ役割があります。特に、モルタル壁など吸水性が高い壁材の場合、シーラーを塗ることで、塗料のムラを防ぎ、均一な仕上がりを実現します。また、金属部分には、錆の発生を防ぐために錆止め塗料を塗布します。この下塗り作業が、最終的な塗膜の耐久性を決定づけると言っても過言ではありません。


​下地処理を怠るとどうなる?


​もし、この重要な下地処理を怠って塗装をしてしまったら、どのような問題が起こるのでしょうか。


​・早期の塗膜剥がれ

下地に汚れや古い塗膜が残っていると、塗料が十分に密着せず、数年後にはペラペラと剥がれてきてしまいます。


・塗膜の膨れ

外壁内部に湿気や水分が残ったまま塗装すると、太陽の熱で水分が蒸発し、塗膜が風船のように膨らんでしまうことがあります。


​・カビや藻の再発


高圧洗浄が不十分でカビや藻の根が残っていると、塗装後も再び生え始め、せっかくの塗膜が汚れてしまいます。


・ひび割れが再発


ひび割れ補修が不十分だと、時間の経過とともにひび割れが再び表面に現れ、美観を損なうだけでなく、雨漏りの原因にもなりかねません。


​・塗料のムラ


下塗りを怠ると、上塗り塗料が外壁に吸い込まれ、色ムラが発生してしまい、見た目が悪くなります。


​これらの問題は、一度発生すると再塗装が必要になることが多く、結果的に余計な費用と手間がかかってしまいます。つまり、下地処理は、後々のトラブルを防ぎ、結果的にコストパフォーマンスを最大化するための、最も賢い選択なのです。


​まとめ

外壁塗装は「下地処理」に価値あり

​外壁塗装の費用は、決して安くありません。だからこそ、その費用が最大限に活かされるよう、下地処理の重要性をしっかりと認識しておくことが大切です。塗装業者を選ぶ際も、「下地処理をどこまで丁寧にやってくれるか」という点を、ぜひチェックしてください。見積書に「下地処理一式」としか記載されていない場合は、具体的な工程について質問してみましょう。高圧洗浄はするのか、ケレンはするのか、ひび割れ補修はどのように行うのか、シーリングは打ち替えか、など、細かく確認することが、信頼できる業者を見つけるポイントになります。

​「外壁塗装は、下地処理が8割」と言われるほど、この作業が最終的な仕上がりと耐久性を左右します。色選びや塗料の種類ももちろん大切ですが、まずは土台となる下地をいかに丁寧に整えるか。この視点を持つことで、あなたの住まいはより長く、より美しく保たれるでしょう。外壁塗装を検討されている方は、ぜひこの「下地処理」の重要性を念頭に置いて、計画を進めてみてください。


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